がん治療費用の現実|高額療養費制度とがん保険で備える金額目安【子なし夫婦・お一人様向け】
がん治療に本当に必要な費用は?
「がんは金喰い虫」とよく言われますが、実際にどれくらいの費用がかかるのでしょうか。高額療養費制度によって医療費そのものの自己負担は一定額に抑えられますが、制度の対象外となる費用や通院の長期化が家計に影響します。今回は、子なし夫婦とお一人様を想定し、平均的な入院・通院データをもとにシミュレーションを行います。
がん保険の必要性と医療保険との違いを解説
👉がん保険は必要?医療保険との違いと高額療養費制度で備えるポイント | 住まいの終活 すましゅう
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高額療養費制度とは?具体的な仕組みと金額
高額療養費制度とは、公的医療保険の加入者が1か月に支払う医療費が高額になった場合、自己負担額の上限を超えた分が払い戻される制度です。上限額は年収や所得区分によって異なります。
自己負担上限額(月額)一覧(70歳未満の場合)
| 所得区分 | 自己負担上限(月額) |
|---|---|
| 現役並み所得者(約1160万円〜) | 252,600円+(医療費−842,000円)×1% |
| 現役並み所得者(約770万〜1160万円) | 167,400円+(医療費−558,000円)×1% |
| 現役並み所得者(約370万〜770万円) | 80,100円+(医療費−267,000円)×1% |
| 一般(〜約370万円) | 57,600円 |
| 低所得者Ⅱ | 35,400円 |
| 低所得者Ⅰ | 15,000円 |
制度の適用外となる費用
- 差額ベッド代(個室・特別室など)
- 先進医療費(自由診療部分)
- 通院時の交通費(タクシー代・付き添い費など)
- 入院中の食費や日用品費
- 自費検査やオプション検査
つまり、「医療費そのもの」は制度でカバーされやすいものの、生活費や周辺費用は自己負担になります。
がん保険の必要性と医療保険との違いを解説
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がん治療の平均的な入院・通院データ
厚生労働省「患者調査(令和2年)」などのデータによると、
- がんの平均入院日数:約19.6日(約20日)
- がん患者の平均通院期間:約2.4年
このデータを基準に「共通シナリオ」を作成し、そこから子なし夫婦とお一人様で必要な金額をシミュレーションします。
がん治療のモデルケース
想定条件
- 入院:20日間(1か月分として計算)
- 通院:月2回通院 × 2.4年(約30か月)
- 高額療養費制度適用後、自己負担は月6万円程度と仮定
- 想定外費用(交通費・差額ベッド代・生活支援費など)を追加
この共通ベースをもとに「お一人様」「子なし夫婦」それぞれの状況を見ていきます。
シミュレーション① お一人様の場合
- 入院医療費(20日分、高額療養費適用後):約6万円
- 通院医療費(30か月、高額療養費適用後):約36万円
- 差額ベッド代:20日 × 5,000円=約10万円
- 交通費(タクシー利用など):30か月 × 5,000円=約15万円
- 生活支援サービス費(ヘルパー・家事代行など):約20万円
合計:約87万円
➡ 一人で暮らす場合は、医療費以外の「生活支援サービス費」が大きくのしかかります。
シミュレーション② 子なし夫婦の場合
- 入院医療費(20日分、高額療養費適用後):約6万円
- 通院医療費(30か月、高額療養費適用後):約36万円
- 差額ベッド代:20日 × 5,000円=約10万円
- 交通費(公共交通利用中心):約5万円
- 付き添い費用(配偶者負担の軽微な出費):約5万円
合計:約62万円
➡ 配偶者が支えになるため、お一人様よりも生活支援費が抑えられるのが特徴です。
想定外費用の内訳と備え方
がん治療では「高額療養費制度でカバーされない部分」が大きな負担になります。
- 差額ベッド代:1日5,000〜20,000円
- 通院交通費:タクシー利用で1回3,000円前後 × 月数回
- 入院中の食費・日用品:1日数百円〜
- 生活支援サービス:お一人様は特に利用が増える
➡ 治療費だけでなく、+50〜100万円の想定外費用 を備えておくのが安心です。
がん保険の支払いは医療費以外にも使えるのか?
がん保険の代表的な給付である「がん診断一時金」や「治療給付金」は、使用目的に制限がありません。そのため、実際には次のような費用にも自由に充てることが可能です。
- 通院時のタクシー代や交通費
- 差額ベッド代
- 付き添いや介助サービス費用
- 食費・日用品費など生活に直結する出費
つまり「医療費以外の負担」にもがん保険は十分役立ちます。預貯金を取り崩さずに済むという安心感を得られる点も大きなメリットです。
ただし注意すべきは、がん診断一時金や治療給付金が付いていない保険では、こうした医療費以外の支払いを受けられないということです。
10年以上前に契約した医療保険やがん保険では、入院日数に応じた給付が中心となっているケースも多く、現代の通院型治療や生活支援費には対応していない可能性があります。
したがって、現在加入している保険内容を確認し、必要に応じて見直しを検討することを強くおすすめします。
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がん保険と預貯金、どちらで備えるか?
- 預貯金が十分あれば、現金で対応可能。
- 不足分を補うなら、がん診断一時金や治療給付金が役立つ。
- 子なし夫婦・お一人様は「誰に支えてもらうか」で必要額が変わる。
まとめ
がん治療費は、高額療養費制度を利用すれば医療費の自己負担は月6万円程度に抑えられます。ただし、差額ベッド代や交通費、生活支援サービス費など、制度対象外の費用が大きな負担 になります。
- お一人様:約87万円
- 子なし夫婦:約62万円
がん治療に備えるには「制度を理解したうえで、想定外費用に対応できる資金」を確保することが大切です。そして、その資金は預貯金で準備してもよいですし、がん保険の給付金をうまく活用することで、医療費以外の支出も賄うことができます。
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